NI USRP-RIOを使用して、RFレコーダー・キャプチャー&プレイバックなどの収録再生アプリケーションを実行する場合や、受信したIQデータをPCに転送する場合に、USRP-RIOが持っている受信可能最大帯域幅をPCに転送できるとは限りません。
NI USRP-2944Rの受信性能は、2ch 160MHz BWですがPCで収録・再生する場合は、2ch合計160MHz BWに制限されます。
このあたりの話はややこしいので以下にまとめます。
USRP-RIOの受信性能と転送性能について
NI USRP-2944R等のUSRP-RIOの受信性能は、以下の表の通り2chそれぞれのアンテナから160MHz BWのIQ信号を受信することが出来ます。
USRP-RIO内部のFPGAでIQ信号を信号処理する場合などは、2ch 160MHz BWのIQ信号を処理することが可能です。
NI USRP-2944R受信性能
受信アンテナ数 |
2ch |
最大帯域幅 |
160MHz BW |
ですが、受信したIQデータをPCへ転送する転送性能は、以下の表の通りPCIeバスの制限により最大160MHz BWになります。
NI USRP-2944R転送性能
MXI(PCIe) |
x4 |
転送レート |
800MB/s |
帯域幅換算 |
160MHz |
転送レートから帯域幅を計算する計算式は以下の通りです。800MB/sのレートの場合は、160MHz BWが転送上限になります。
BW(MHz) = 転送レート(MB/s)/4*0.8
160MHz BW=800(MB/s)/4*0.8
計算式についてはこちら
ナショナルインスツルメンツ製品における帯域幅とIQレートの関係
ここまでのまとめ
USRP-RIOのチャネル数や受信性能に関わらず、PCへと転送する場合はPCIバスがボトルネックになります。その上限は160MHz BWです。
チャネル数と最大帯域幅の組み合わせ
最大160MHz BW分の転送レートは、使用可能合計転送レートです。1chで160MHz BW分転送することも出来ますし、40MHz BWを4chで転送することも出来ます。
NI USRP-2944Rは、最大160MHz BWを2chで受信することが出来ますが、PCとのインターフェイス上限が800MB/sのため160MHz BWでは1ch分、80MHz BWでは2chが転送可能です。
NI USRP-2945Rは、最大80MHz BWを4chで受信することが出来ますが、こちらもPCとのインターフェイス上限が800MB/sのため、80MHz BWでは2ch分。40MHz BWでは4chが転送可能です。
参考
ナショナルインスツルメンツ製品における帯域幅とIQレートの関係
http://www.dolphinsystem.jp/bandwidth_iqrate_on_niproducts/
収録再生可能な帯域幅はどうやって決まる?
http://www.dolphinsystem.jp/recordable_bandwidth/